イ ボ





必ずと言っていいほど悪ガキは学校が終わっても家には帰らない。

この日も数人の悪ガキがランドセルをほったらかして

丸い池の周りでハスの葉の上に座って喉をヒクヒクさせているカエルとご対面してた。

「でっかい殿様ガエルや」

池の中には赤い金魚やイモリ、アメンボ、まつもむし、時にはげんごろうまで

子供の興味を引く生き物が住んでいました。

 この不運な殿様ガエルも子供たちに追いかけられて

あっちへポチャンこっちへスイスイと池の中を無理やり動き回らされていた。

「あっ‥そっちへ行ったぞ」「こっちこっち」

カエルもエラい迷惑だった。

 そこで誰かがひょいと一匹のカエルを捕まえた。

「わっ これイボガエルや」「うわぁーっ」

 急いでカエルを捨てた子は手を広げて塗りつけるようなしぐさをしたために

みんなは蜂の子を散らすかのように逃げ去った。

本当にさわるとイボが出来るのかどうかは未だに

 わからないけど、この頃の子供たちはよく手にイボを作っていた。

 そんな私にも手に3つくらいのイボができていた。ある日、家に戻ると母に呼ばれた。

 「今日は月夜やからイボ掃きに行こかな」‥と言って

しゅろの木のヒゲで出来た小さなホウキで手を掃いて見せた。

「イボを掃くだと〜・・・はぁ?」どこかで聞いたようなフレーズである。







 ほんまかいなと言う思いのまま晩ごはんを食べ終わる頃、東の空からぽっかりと満月が

 顔を出した。母に連れられてこやすが谷を通りユースの手前の畑にやって来た。

 「ここらがええね」やって来たのは里芋畑だった。

母の話では里芋畑でないと効果がないらしい。

その日は本当に見事な満月。

 たぶん中秋の名月の日だったと思う。

その畑のまん中に座るとあのホウキで

 私の手を掃きだした。「イボイボ落ってけー」サッサッサ。

なんとそのまんまのおまじない。

 あっと言う間に魔法を済ませて、名月を眺めながら首をかしげる帰路だった。

さて、驚いたのは1週間後

朝起きて顔を洗う時になにげなく手を見ると

 「あれっ?!!!  #$%&%@$# !!!!!」

自分でも何を言っているかわからないくらいびっくりしてた。

3つあったイボが跡形もなく消えていた。母は笑っていた。

 不思議な事もあるものだ。

しゅろと里芋と満月どのような化学変化なんだろうか

今でも大阪の人達に興奮して話すのだけれど

彼等はそもそも手にそんなにイボが出来た事がないらしい。

ア然‥(^O^;)


By 管理人








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